―事件後のいつか―
[ボクはあの事件後、ユウイチロウの手配した病院へと連れて行かれ、そこで療養をしていた。
療養中は、描きかけだった絵を描く時間にあてた。左腕は傷跡はたくさん残ったけども、幸い日常生活に支障無く過ごせるらしい。
新学期が始まり、早々からマラソン大会とか、皆は阿鼻叫喚の様子だった。
新しい書記ポストの人間も決まり、クラスメイトが二人減ったことも日常の中に埋もれていった。
ボクは美術部に顔を出して、ハルエの描いていた絵を一枚眺めていた。
少しでも彼女のに触れられるような気がして、鏡の向こうであった彼女に。顧問にはとっても嫌な顔をされたけどもね?]
『先輩、その絵…』
ああ、例の事件のね、完成させようと思って。
[そして今生徒会室でボクは絵を描きながら、話しかけてきた後輩に憂いの帯びた笑顔で答えた]