『この絵の人って、この人なんですか?』
[場の雰囲気に居づらさを感じたのか、後輩の子は一人の女の子を指差してから、
もう一枚別の絵を手にして]
『前、描き掛けだったやつですよね。笑顔、見つかったんですか?』
うん、彼女の笑顔に少しだけ、触れることができたよ。
[ボクの答えに、後輩の子はとりあえず頷いて、よかったですねと、
それから生徒会室を出て行った後輩の子を見送り]
たまにでいいから、少しでもその姿に触れたいと、そう思うのは、ボクのわがままかな?
[ぽつりと、何をとは言わない。疑問の声に返る言葉も*無い*]