―before story―
[日課である魔法植物のチェックのために菜園に向かった時の事]
…………?
[目的の魔法植物の傍に見かけぬ子供が居た。その姿から学院の生徒では無いと感じ取り、不思議に思いながら傍へと近付く。この近くに住む子とも思えなかったため、掠めたのは一つの可能性。近付くと子供はこちらへと振り返り、警戒する気配を載せて聞き慣れぬ言葉を発した]
「”ディル…この子はもしや…”」
…………。
[ベルデザンカイトの問いに同意の頷きを見せる。どうしたものか、としばしの逡巡。保護の仕事は専門外だったために、弟を呼ぶか悩んだ。しかしそんな事をしていたら、この子は逃げてしまうかもしれない。そうなれば、苦労するのはこの子の方だろう]
……………。
[考え、決意し。ゆっくりとした動作で子供の傍へ寄り、膝を突いて目線を合わせた]