―広間―
[>>993 上半身裸で俺は一体何をやっているんだとは思うのだが、致し方ないだろうこの場合。お互いの顔が見えないほどの近く。騎士訓練を受けている彼女は折れそうなほど細くはないのだけれど、ぎゅっと抱きしめてそれを返事にする]
エーリッヒ。
"さん"はいらねーよ
俺も貴族様って言わなくなったろ?
[そうして、抱きしめる力を緩めて、彼女の瞳を正面から見つめる。
その翠玉のような瞳は色をなくしているけれど、涙に濡れているのはよくわかった]
じゃあ、俺も。フレデリカがこれから背負う、罪も罰も、一緒に背負うよ。
分かち合って生きよう。
愛している。
[――証明などしなくても、よかったのだ。
変態だの世間体などそういうのを恐れず、最初からこの言葉を言えればどれだけよかったのだろう]