[見えた変化に瞳を瞬かせる。
そう言えば、己もこのくらいの頃には変化が安定していなかったな、と思い出し]
…耳、変わってたぞ。
気をつけるようにな。
[小さく笑みながらそう声をかけて、わしっともう一度撫でて置いた]
[絡み強く握られる震えた指。
それに応えるように握り返して]
……ああ、イレーネ。
お前が望むなら、いくらでも──。
[それ以外にしてやれることが無いから。
望むままに名を呼んで、母子ごと軽く抱き締めるように手を回す]
…イレーネ。
俺がしてやれない分、この子を立派に育ててやってくれ
…。