─先の時・屋上─……よーいせ、と。お邪魔しまっ。[事件からそれなりに時間が過ぎたある日。愛用のカメラ片手に、軽い口調と共に訪れたのは、屋上。夕暮れのそこは、しん……と静まり返って、人の気配はない、けれど]……やっぱ、なんぞいてるよーな気ぃ、するんよなぁ。[春までもう少し、という季節。夕暮れの風は、まだまだ冷たい。その風に、尻尾髪を揺らせながらぽつり、と呟く]