[特に何か、確信があるわけではないけれど。
ここで風景を撮っていると、他にも誰かいるような気がする事が多々あって。
……多分、気のせいだろう、と思ってはいるけれど。
あの事件の後と考えると、単なる気のせいで片付けたくはなかった]
有り得ん事が当たり前に起きた後だしなぁ……。
ホント、何があっても不思議ないわ。
[軽い口調で言いながら、レンズを向けるのは夕焼けの空。
ピントを合わせ、シャッターを切る瞬間は、いつになく真剣。
そうやって、何かに打ち込んで、動き回って。
そうしていないと、まだ、立ち止まりそうになる時がある。
あれから随分たつのに、未だ、右手には感触が残っているような錯覚を覚える事があるから]