……情けないなぁ。
周りにはなんもない言っといて。
まだまだ、足踏みしとるんだから。
[カメラを下ろしつつ、滲ませるのは苦笑。
生き残った他の者たちには、常に空元気を見せてはいるものの。
人の命を直接奪ったことへの痛みは、消える様子もなくて。
だから、一人きりになりたくなると、ここで、空の写真を撮って、気を紛らわせていた]
……まー、それでも。
いつまでもいつまでも、引き摺る気ぃは、ないから。
[零れる呟きは、何へ、誰へと向くのか。
小さな言葉を、夕暮れの風に、散らして。
再び、カメラを構えて空へと意識を集中する。
乾いた音が響き、また一つ、茜空が切り取られた**]