−港→自警団詰め所−
『ここ、ですか……ダヴさんの亡くなられたという島は。』
[事件解決から数週間が経って。
自警団から連絡を受けた女王国から、2人の男が派遣されてきた。
一人は、ダーヴィッドが着けていたのと同じ鎧に身を包んだ黒髪の男。もう一人は、貴族の礼服姿の青髪の青年。
二人は港で道を尋ね、船で運んできた馬車で自警団の詰め所へ向かい。
自警団員から半分腐った遺体を引き取りながら、事情を説明させていると。二人の表情がみるみる険しくなった。]
『……つまり。我が国の女王騎士の証でもある鎧を身にまとっていた小隊長に、あらぬ疑いを掛けて殺した挙句、弔いもしないでいた…と。そういう事ですか』
[鎧姿の壮年の男が、冷たい視線を向けて放った言葉に。その場にいた自警団員たちが怯む。
尚も何かを言おうとする男を、しかしもう一人の男が前に出て制した。]
『ルーサー、もう良いよ……彼らを詰ったところで、ダーヴィッドが生き返る訳じゃない。
……この件については、帰国中にこの国の首都に対して正式に抗議をさせてもらおう。この僕、女王国の第一王子ナサニエル・ファレナスの名前で』