>>1012[こちらに歩いてくるローザを、店の入り口のところに立ったまま、待っていた。掴まれた袖に目を向け、ふ、と笑って]お帰り、ローザ。[無事でよかったという声を聞きながら、ローザの体に手を回し、抱き寄せた。もちろん、今までずっと傍にいたことは知る由もない。ただこの一瞬がずっと続けばいいと、それだけを思って。カウンターの中からがちゃん、と音が聞こえた。おおよそ店の親父が何かを目撃するかして衝撃を受けたのだろうけど。―それは、気にしない事にした]