-Tens von Jahren spaeter. -
[細い街道を小さな馬車が通る。そこに乗るのは村の人間と、行商の男、そして数人の旅人。中では穏やかな談笑が繰り広げられていた。]
「へぇ、あんたらあの絵を見にきたのか。ああ、あれは村の宝だ。あんな素晴らしいものは早々お目にかかるもんじゃないぜ。何てったって…ああ、駄目だ、実際見ないと伝わるものも伝わらないな。」
「そうそう、うちのオパールは特別さ。量は少ないが輝きが他所とは違うんだ。
あんたのソレもちっさいけど、けっこういいモンだな。何だったら、加工にいい店を紹介するぜ?」
「ああ?人狼?…兄さんら、その事はあんまウチでは口にしない方がいいぜ。摘み出されたくなかったら…な。」
[灰銀の髪と鳶色の瞳の青年が微笑んだ。
人懐っこい、三日月の笑み。
その妹らしき、紺色の髪と瞳の少女が微笑んだ。
胸には、オパールの入った小瓶の首飾り。
惹き寄せられたものに齎されるのは
*幸か 不幸か*]