『ええ…なかなか難しいものですね。
普通の人間でも、人狼との接触で後天的に人狼になってしまう事があります。
こういう言い方をすると、人狼のルーサーには失礼かもしれないけれど……人狼というのは、一種の感染性の病気に近いようにも思えるのです。
それゆえに、人狼だからといって差別する必要は無いと私たちは考えているのですが。』
[彼らにも心があるのだから、あくまでも人間同士として、対等にしたい。そう言ってルーサーを女王騎士として推薦したのは、ダーヴィッドだったのだ――と。懐かしむようにそう告げた]
『そうですね…ルーサーのように人間と共存を望む人狼を、我が国で保護している事は結社には知らせていますが。
結社にも、その事を知らされていない人もいるようですから。
それでは、失礼致します。
もし私たちで協力できる事があれば、いつでも連絡をください。』
[続くフーゴーの言葉には頷いて、そう言って会釈をして。
2人は、再び馬車に乗り込み、港へと向かって去っていった。]