─ →ベアトリーチェの家 ─
[馬車に揺られ、しばらくはその中で休息しつつ運ばれることとなり。
ややあって揺れる馬車の歩みが止まった。
目的地に着いたと告げられ、付き添ってもらった使用人に頼み、ベアトリーチェの骸を馬車から運び出してもらう。
そのうちの1人に支えられながら、クレメンスも馬車から降りた]
……邪魔すんぜ。
[ノックの後、出てきたベアトリーチェの両親に気勢無い声色で声をかける。
不安の見え隠れする瞳。
その前に運ばれた、シーツに包まれたものを見て、彼女の両親は察してしまったのだろう。
母親はその場に崩れ落ちて泣き始めた]