コダマも、一人ぼっちに、なっちゃったんだ、ね。
私と、おんなじ。
…コダマ、一人ぼっち同士、一緒に、暮らす…?
[弱々しげな笑みを浮かべ、擦り寄ってくるコダマの頭を優しく撫でた。コダマは榛名の思いを知ってか知らずか、擦り寄ったまま「にぃ」と小さく鳴く。擦り寄るコダマを腕の中へと抱え上げ、ゆっくりとその背を撫でた。腕の中の小さな存在から伝わる温もり。それは榛名の身体へとゆっくりと染み渡り。そしてそれはやがて心の氷解を溶かし、瞳から涙を零れさせた]
…ひ、っく…ふ、ぇ……う、あ、ぁ……。
[コダマを抱き締め、声を押し殺すようにして涙する。あの惨劇が終わった後、心のどこかでは現実ではないように思っていたのだろう。まるで悪夢だったとでも言うように。しかしその現実逃避もコダマの温もりに触れ、あの惨劇が事実であったことを改めて思い知った。
木の根元に座り、コダマを抱いたまま顔を伏せ、嗚咽に身体を震わせながらただただ涙を流した]