…だから、キリルちゃんもずるくなって良いよ。
無茶でも我儘でも、何でも言ってくれて良い。
俺が出来ることならなんだって、叶えてみせるから。
[それが例え、自分の本能に逆らうことであっても叶えてみせようと誓う。
自分の正体を知ってそれでも近付こうとしてくれた彼女に対しての誠意だが、キリルはどう思うかは解らなくて顔を覗いて。
彼女の不意の行動に、呆気に取られた。
真っ赤な顔で俯いてしまった彼女の声に、我に返り。]
…うん。
いつか、ね。
[今はまだ、確証の無い想いだから。
彼女がしてくれたそこに返すことは出来ないけれど。
俯いてしまった彼女を抱きしめ耳元に唇を寄せた後、こめかみに軽くそれを触れさせた。**]