もしまだここにいて、体を動かしたくなったなら、私はもうしばらくずっとここにいますので話し相手くらいにはなれますよ。
[そんな風に少し笑って、また一段登った。
途端、また私は一階に戻される。延々続くループの、まだはじまりもはじまり。きっとこれからひと段落して、新しい年がきて、新しい年度が始まっていく]
[生徒達の中に友人も、知り合いも誰もいなくなってもずっと上り続ける。いつしか生徒達は噂をするかもしれない。階段の踊り場ごとにある鏡に、時折見知らぬ女生徒が写るって。―― 誰もいない放課後に、その子に合ったらカッター持って追いかけられる、なんて尾鰭までつくかもしれない]
[もし校舎が取り壊されても、学校がなくなっても。
ずっとずっとあの校舎のあの階段を登りながら私は待っている**]