─ ベアトリーチェの家→ ─
[止められなかった。
否、止めなかったが正しい。
あの時の自分は、1人を護るために他を犠牲にしようとしていた。
周りが見えていなかったことも含めて、謝罪に想いを込める]
…んじゃあ、俺は、これで。
まだ、回らなきゃいけねぇ家があるんだ。
[その言葉で他にも犠牲が出ていることが知れるだろう。
その言葉を最後にベアトリーチェの家を辞した。
扉を閉めた後、背後から一際大きな嘆きが聞こえた。
それに対しては痛みに耐えるように一度瞳を閉じ、再び馬車へと乗り込んで次の場所へと向かうのだった]
[ウェンデルの家にもベアトリーチェと同様に謝罪に回る。
如何に悪ガキだったとしても、実の息子の死に家族は嘆いていた。
それを静かに受け止め、再び家を辞して馬車に乗り込む。
残るのはユーディットの骸。
それはこの後の最終目的地へ運ぶだけであるため、そのまま共に馬車に揺られてミハエルの別荘へと向かった]