[ほぅ、と息をつく。
箱の中身を取り出そうとして、にぃ、という小さな声に手を止めた]
ヴィンデ。
何時の間について来てたんだ。
[同居人の猫は、あの葬儀の時にも鳴いていた。
手を伸ばしても逃げなかったので、連れ帰り今も共に暮らしている。二人と一匹。村からは距離を離して]
仕方が無いなぁ……なんだよ。
[てしてし。
何かを知らせるように叩くと数歩進み、振り返って待つ。
繰り返されて苦笑すると、箱をポケットに仕舞い直した]
何があるって……歌?
[少し歩くと風に乗って届いてきたそれに首を傾げた。
暫し耳を傾け、やがて目を見開く]