[薬師の彼女が倒れる様>>4を少女はただ見詰めるのみ。
怪我をしたり風邪をひいたりした時には
確かに彼女の世話にはなりはしたし
集められてから少年を診てくれたりもしたから
薬師としての彼女には感謝さえしていいたけれど
少女は彼女を庇うだけの特別な感情は有していなかった。
少年の紡ぎ>>10は彼女の正体を意味するもの。
それを耳にした少女の目がふっと緩む。
翠には常の色へと移ろう少年の眸>>14が映りこんでいた。
終わりを確認しあうかのような声>>12>>13>>14
言葉に出さず背を向けた黒>>11を見遣り、薬師の躯をじと見詰める。
終わったのだろうけれど――
人狼が何を思ったかは分からず仕舞いだった。
銀のナイフを傍らに置いて、ほう、と張り詰めていた息を吐き出す]