[此方へと歩み寄る少年に少女は軽く両腕を広げた。自然と支えあうようなカタチで肩を貸せば耳朶に触れるは少年の吐息>>11]終わったの、ね。フォル……、……。[生きていてよかった、と心の中で紡ぐ。多くが犠牲となった今、よかったと口にするのは躊躇われた。代わり、少年の髪に顔を埋めぎゅっと抱きしめて]おつかれさま。[力持たぬ少女は力持ち役目を果たした少年に密やかに労いの言葉を掛けてそと目を伏せた]