>>1059
[ 制止に手の力を緩め、立ち上がろうとして、
足がふらつき、教師に支えられる形になった。 けれど。
普段の行いの差異から原因はヒビキだと決めつける大人に、
思わずむっと来て――その手を、払う ]
……言い合いの原因は、確かに、
団体行動を乱す相馬くんへの注意でしたが。
先に手を出したのは、僕です。
[ 朧げな視界に、驚く姿が見えた。
黙っている方が“賢い”に違いはなかったのに。
ああ、知られたら、叱られるんだろうな。
ぼんやりと考える。
口内に残る血の味は気持ち悪いし、あちこち痛いし、散々だ。
それでも、何処か、気分はすっとしていた ]