[少女はまだ気付かない。村の内と外を繋ぐ道が再び通った事>>#0その歓喜が村に広がりつつあることを。通じた道の先からは仕入れた品とそれとは別の包みを大事そうに抱えた少女の父親が息を切らしながらも家族のもとへ戻ろうとしていることを。なかなか帰ってこぬ少女を心配した母親が宿の近く配置されていた手話の通じぬ自衛団員を相手に難儀しながらも娘に会わせて欲しいと訴えていることを。終わりと同時に歳を重ねた少女が少しだけ大人びた姿で両親と再会するのはあと少し先のこと**]