―自宅―[フッと顔を上げた。外は眩しいばかりの銀世界。美しいその光景にも今は何も響かない。けれど]……。[そっと立ち上がり窓を開けた。僅かに吹きぬけてゆく風]……………。[――おやすみなさい、そしてありがとう。声にはならない声を紡ぐ。同じ痛みを背負い、散らされ、苦しんでいた蒼花。その開放を風に乗せて願った]