― 教会 ―[傷ついた喉からの小さな声に、なぁ、という声が重なった。猫が歌う。知らない人が聞けば、笑うかもしれない。けれど今は一人と一匹。同じ想いで歌うだけ]……タオ。教会も誰もいなくなるだろう。その内には別の神父様が来たりもするんだろうけど。嫌じゃなければ、うちに来い。多少薬臭いかもしれないけどな。[旋律の余韻が消えた後、床に座って茶猫と視線を合わせ。冷えた指先をそっと伸ばした]