―屋上―[事件からどれだけの月日が流れたか。空いていた書記の席も程なく埋まり、ついでに新しい学長が就くにあたり生きている人たちは色々大変だったらしいけれど、それはさておき。学園は日常を取り戻していた]まあ、そんなものだよね。[春陽は苦笑いと共に呟いた。生前は滅多に来ることもなかった場所、そこに先客の姿はあっただろうか。周りを囲むフェンスの上に登り、暮れゆく街を眺めていた。今となっては行動を咎める者もいないし、そもそも咎められる理由もなかった]