―岩場―…なあ。馬鹿にするか?散々に笑われたら、いっそ即座に吹っ切れたかもな。[ふと浮かぶ同年の少女の顔。もう聞くことのできない声を寂しく思った]……私は、私でしかいられない、だっけ。[そして更に思い出す。この手で命を奪った相手の言葉]同じだよな。俺も。何より、このまま逃げ回ってたら…。…顔向けできないどころじゃねえ。[手の中の灰を握り潰す。前髪に隠れた顔で、唇だけは緩く弧を描いていた]