ほう……それはそれは。
[告げられる『要件』と共に、浮かび上がる水泡。
穏やかな笑みを絶やさずにいた楽士の口元が、ほんの一瞬、不敵に歪む]
お茶会は、俺の数少ない楽しみのひとつなんですが。
……それを止めるというからには。
[飛来する水気に、瞳が向いて]
相応、覚悟はしていただきますよ!
[宣と共に、楽士は右の手を上へと翳す。
煌めき帯びた銀色が掌に積もり、積もったそれを握り締めた楽士は、左から右へ、大きく腕を振った。
銀色は、煌めく糸のようなものを形作って空を薙ぎ、大気と共に飛来する水気を打ち払った後、今度は逆の動きで青の少年へ向けて襲い掛かる]