[泣いている母親も、傍で立ち尽くす父親も、クレメンスを責めることはなかった。
最近は怒られたり反抗ばかりしていたけれど、彼らを嫌いになるわけがない。今でも本当の親だと思っているくらい、ずっと一緒だったのだから。
二人を見つめながら滴を零す目はみどり色。金の毛並みもいつしか少女の髪に戻っていた]
……っ、めん、なさ……っ、
[反抗ばかりして。生きて帰れなくて。……人狼で。
ウェンデルの時のように大声を張り上げはしない。
ただ何度も何度も、いろんな意味を籠めたごめんなさいを繰り返し。
クレメンスが去っても、暫くの間はそこから動かず、ベアトリーチェは涙を零し続けた]