それ、は。[同じ境遇にあったからこそ知られるもの。限界は限りなく近い。このまま無理をすれば確かに自分は「戻れない」だろう]確かに、このまま、では。でも。[葛藤は大きかった。その思いを支えに生き延びてきた身としては]…分かった。[握っていた右手も未だ震えるまま。それでもどうにかそう声を絞り出した]