[暫く呆然と、その場に立ち尽くしていたが。
地面に転がっていた青色を拾い上げると畳み掛けるように言葉をかける。]
な、なんで、なんでピノ君?
なんでピノ君が母さんの声出せるの、ピノ君、母さんと話せるの?
[それにはころころと左右に体が揺れた。ちがう、と言っているらしい。]
『しんぱいだけ、みつけたの。
すごく、しんぱいしてたの。
しんぱいしてたから、しんぱいなの。』
[『しんぱい』は、以前に青色が言った言葉。
あの時だけでなく、どうしてと尋ねると気まぐれに『しんぱいだから』と返ってきた。]
っ、それって。
ピノ君、母さんが心配してたの知って
だから、私のこと、ずっと
気にしてくれて――――――