わかっている。話ならば、後程でも出来る訳だからな――[生きていれば、の話だが。 それを口にする事は無く。]好い子だ。[絞り出された声に、まるで姉が弟に言うように。 触れはしなかった手がゆるりと離れる様は、撫ぜるが如く。 眼差しがどんないろを浮かべていたか、当事者以外は知る由も無い。]全く、“らしい”コードだな。……往こう。[別れの言葉は告げない。 踵を返して、来た道を辿った。]