─追憶・幼き頃─[瑠璃細工師の両親は。幼い頃の自慢で、憧れで。二人の手で生み出される様々な造形に。いつか、自分も、そうなりたいと。思っていたのは、幾つまでだったか──]……るりの、まじない?[九つの冬。父が唐突に口にしたその言葉を、不思議そうに繰り返した。母は編み物をしつつ、どこか不安げにしていたけれど。テーブルの上に並べられた瑠璃のピアスと銀の短剣に吸い寄せられていた幼い蒼は、それに気づけなかった]