家主殿には、言われたくはないんだがな、それは。
[呆れ声に返すのは、低い呟き]
詩の方は、どうにかな……ああ、代筆してもらえると、助かる。
[代筆、という言葉に、零れるのは、安堵。
直後の瞬きには、また、苦笑が滲み]
……六年前に、共に『場』に囚われ、生き残った二人だ。
俺は、死せる事により、解放されるようだが。
あいつらは、未だ、因果の中にいる。
……別れ際に、誓ったんだ。
決して、自ら生命は断たず。
俺が、空へ飛び立つ詩を書けたなら、また、会おうと。
[それは、その場では、二人から逃げる口実。
けれど、今は。それが重い、枷のようで]