(あたし、だって。兄さんの…お兄ちゃんの妹で、よかった。あのと、き。いっぱい泣いて、ごめんね。困らせて、ごめんね。心配かけたく、なかったのに。っ、て……ぁ、お兄ちゃん、鈍いくせになんで、…!)[兄の声は穏やかで。自分への感謝と、謝罪を告げられていて。声を出して返事をしては、ゼル達に変に思われてしまうから、心の中で兄に返した。最後に言われた言葉には、頬が赤くなってしまったけれど。そして、兄の声も、気配も。感じられなくなって、細く息をつくと。涙が一緒に、零れ落ちた。]