忍崎の里―
[机越しに言い争う姿、当の話題の中心たる彼は相変わらずの無表情でいたかもしれない]
お父様がなんと言おうと、私はゲルダと結婚しますっ!
「だめだ、そんなやつっ!俺は認めないっ!
忍法のひとつも使えないじゃないかっ!」
[特に使えなければいけないという掟はなく、言いがかりに過ぎない言葉]
「とにかく、俺が認めないことには結婚はできないからなっ!
上忍の言うことは絶対だっ!」
[それは里の掟なので逆らうことはできない。
現当主たる父の言うことは絶対であり、自分は次期当主でその娘とは言え決定を覆すことはできない]
わかり…まし、た…。
[歯軋りをする音がゲルダにも聞こえていたかもしれない]