─ 数日後・教会 ─
[知識自体は、付け焼刃だったから、実際に上手く行くかはわからなかった。
ただ、かけてみよう、と思ったのは、事後処理の一環で訪れたリーゼロッテの家で、感染の進行を遅らせる、とされた薬草が見つかったからこそ。
……それが何から生えていたか、は、考えない事にしていたが、まあそれは余談]
……っと、わっ……!
[床に崩れ、悶絶する様子に慌てて引いて扉に張り付き、成り行きを見守る。
やがて、闇の帳が落ちる頃、動きを止めた友に近づいて]
……ライヒ?
[呼びかけに答えはないが、呼吸と鼓動は感じられる。
傷口を見やると、そこには銀の封がなされていて]
……上手く……いった、のか、な。
やれやれ、手間かけさせやがって。
[愚痴るように呟きつつ、それでも。深緑には、確かに安堵の光が宿っていた。**]