― 教会/*** ―[現世に未練が無いと言えば嘘に成る。けれど、其処はもう自分の居場所ではないと、解ってもいたから。傍らの心寄せるひと>>1117へと、同じように視線を返す。見返す先に在る天鵞絨は、穏やかで、それでもきっと強い。]……うん、[何処へ行くことに成るのだろう。胸に巡る想いも、あるけれど。唯何よりも、離れない、と、言ってくれた彼は此処に居る。差し出してくれる愛しい掌が在るなら、自分はきっと何処へでも行ける。]私も、絶対離さないよ。…ライさん。[そ、と、手に手を重ねた。**]