─先の時・屋上─[それは、幾度目かの、空の切り取りの時]……え?[屋上を囲むフェンスを広く入れたアングル。ファインダー越しに覗き込んだそこに見えた、影]……はるさんと……川島?[半ば茫然と呟いて、カメラを下ろす。けれどファインダーを外して見た世界に、その姿はなくて。もう一度、同じアングルで覗き込む。今度は、見えた]……おまーら、何しとんの、こんなとこで。[口をついたのは、呆れたような響きの声。それは、二人のもとまで届いたか]