人狼物語 ─幻夢─

68 アナスタシアさんとお菓子の生る木


ベルナルト

[彼女の前に姿を現せなくなってから。
気落ちする自分を誤魔化すように、空をふらつくようになっていた。
仕事以外では人の姿の方が楽になっていたから、常に人化するようになっていて。
その内、一人のシルフと仲良くなった。
最初はただ話すのが楽しくて、徐々に会えるのが楽しみになって。
その内、彼女なら一緒の時を過ごせるだろうとほんのり思うようになっていた、けれど。

仕事中にその姿を見つけ、いつものつもりで声をかけたらやけに恐縮されて。
その様子が変だったなと思いながらもその時は何か都合でも悪かったのだろうと思って気にしていなかったけれど。

次にあった時も、その次も、よそよそしい態度は変わらなくなって。
どうしてだと問えば、グリフォンなんて知らなかったから、と返された。
それがどんな意味なのか解らなくて呆気に取られていたら、私なんか相手にされないって解ってる、とも言われて余計に理解に苦しんだ。
今までずっと楽しくなかったのかと問えば楽しかったと返される声に、じゃあこれからも、と重ねた声は届かなくて。

人でも、人でなくても。
自分が傍にと願っても、叶わないのだと思うようになった。]

(1137) 2011/11/24(Thu) 01:13:55

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