[目を逸らす様子に、暗き翠は睨むように細まるものの、それは刹那]……それは、あるさ。俺だって……ずっと、抱えていた。惑いから、信じてやれなかった者。力になると言いながら、護りきれなかった者。……信じようとして、裏切られた者。どれも、大切で。でも、全て、亡くした。だから、何も求めずにいようとした……ま。もう、終わったことだがな。[あらゆる意味で。そんな想いを込めた嘆息を漏らし。先を促す言葉に、翳りを笑みへと変えて、頷いて。ふわり、と立ち上がり、空へ向け、言の葉を紡ぐ]