[右後足が銀翼の獣を捉える感覚に、漆黒の獣は口許を楽しげに歪める]
ボクは『影』だからね。
[回転の勢いで頭を銀翼の獣が居る方へと向けて。
後足は地面へと落とし四足で地を踏み締める]
ありとあらゆるモノに変化する可能性を秘めている。
もちろん、それは人に限らない。
[それを突き詰めて、今この変容を可能とするに至った。
『新種』の『始祖』たる影より生まれしモノは、その種を増やせぬ代わりに進化を常に続けている]
[鳴り響く銀翼の獣の咆哮。
翼を使わず地を駆けて来る相手に、漆黒の獣も真正面から相対し。
体勢を低く取ると、下から滑り上がるように地を蹴り、爪を銀翼の獣の顎目掛けて振るった]