─ 250年位前の天界・西海のある日 ─[『ソレ』が、誰の、どんな意図で持ち込まれたものなのかは、まだまだ幼い龍には知る由もなかった。ただ]……しろくて、ふわふわしてる。[渡されたそれは、見慣れた雲のようで、でも、雲ではなく。首を傾げていたら握ったままだと溶けるよ、と指摘され、少し慌てて、言われたまま口に入れて]……あまい。[きょとり、と。大きな蒼の瞳が瞬く。その様子に、従兄はくすくすと楽しげに、笑った]