正直、生きてられたのが不思議、ってな感もあるんだけど。とにかくまだまだ、そっちに行けそうにはないみたいだし。無理のないペースで、のんびり生きる、から。……俺は……大丈夫だよ。[マルガレーテ、と。いとしい人の名を口の中で紡ぎ一つ息を吐く。場に訪れた静寂を打ち破るのは、階下から聞こえて来た、扉を叩く音と、耳慣れた子供たちの声。苦笑が滲み、閉ざされていた目が、開いた]