『……いつか、言い出すのではないかと思ってはいたが』
[ついに言いやがった。
言葉にせずとも、にじみ出るのはそんな思い。
それすら、笑って受け止めると、従兄はふ、と息を吐いた]
『まあ、いいさ。
……どうせ、止まるはずもない……好きにするがいい』
[このまま西海で暮らしていても、閉ざされた知識が増えるばかり。
当人が望むなら、外で多くを学ばせるべき、と。
……まさか、その理由の一端が昔こっそり食べさせた地上の菓子とは知る由もなく。
真面目な結論に達した従兄は、こう言って、飛び立つのを送り出してくれた]