[そのままこちらへ向かって来るかと思われた銀翼の獣>>1147。
けれど振るった爪は空を切るに終わった]
ちっ…。
お褒めに預かり光栄、と言っておくよ!
[漏れる舌打ち、それに続くように相手の声に返したが、状況はあまり良くは無かった。
身体は跳ね上がるように宙へと舞い、四肢は地面から僅かに離れる。
その隙に合わせて落とされる一撃に対して出来たのは、直撃を免れようと身を捻ることだけだった]
ぐ、ぅ…っ!
[身を捻ったとて、得られる効果は大きくない。
背骨に直撃するのは免れたが、代わりに横っ腹を強打した。
一撃を受けた体勢のまま地面へと落ち、濛々と砂煙が舞う]
っ、は、ぁ。やっぱり、なかなかやる なぁ。
[打ち付けられた衝撃で揺れる視界を、首を振って強引に戻し。
砂煙が晴れる中、四肢で身体を持ち上げ、銀翼の獣を見据えた]