[専用フォルダの中にはたくさんのスターマーク。
諏訪からは何度もメールが来ていた。
季節の折々だとか、ふとした時とか。
そのたびに読んでしまえというそそのかす声がどこからか聞こえてくる気がして、
でも自分はまだ読むに値しないと思って、ずっと封印してきた。]
[何度も何度も、彼らからのメールを読み直した。
もし、己が弱いままだったら、「どうしてすぐ読まなかった」と後悔したことだろう。
諏訪にすぐ逢いにいき、一之瀬にお礼を言いに行けばよかった、と思ったことだろう。
でも、今はそれはない。あるのは懐かしむ気持ちと感謝の思いだ。]