[回りくどい手紙を最後まで読むと、どうやら冬出稼ぎに街に言っている間に、愛人、というと聞こえが悪いが、つまりはそういう人ができ。ついでにその人との間に子供まで出来たらしい。
毎年冬はその二人と過ごしていたそうだが、その冬の恋人がつい先日亡くなってしまい。若い娘が残された形となった。
実の娘を天涯孤独にする事はできない。引き取ってうちで育てるので近いうちにつれて帰ります。
というけっこう酷い一方的な内容だった。]
…………なんつーか。すげぇ。
[呆れ通り越して感心してたら、母親にギッと睨まれた。
「帰ってきたら殺す」とか物騒なことを口にして、母親は倉庫の方へと向かっていった。後で取り出してきた研ぎ石で、一本一本家中の刃物の切れ味を良くしていく様を見ることになる。]
…なんか、また血を見る羽目になるのかな。うち。
[父親帰ってきた時が怖ぇ、と思ったが。それと同時にまだ見ぬ妹、新しい村の住人の事を思うと自然と口元に笑みが浮かぶのだった。楽しみだな、と*嬉しそうに。*]