─海辺の空き地─[小声の突っ込みを黙殺した、それはこちらの余裕の無さ。蒼も普段よりずっと深みを帯びて黒を見つめる]こうする。[右手はそっと頬に触れ、左腕も伸ばして。クロエの腰を引き寄せ抱きしめた]女として見たら止まれない。こうやって、自分のものにしたくなる。……けどな。[フッと息を吐き、力を抜いて。肩を支えるよにはしながら、僅かに身を離した]今ならまだ、どうにか止まれる。島の女性はここに留まれる男と居た方が穏やかに暮らせるはずだ。その方がきっと幸せにもなれる。