◆ENDRP
[それが、投与されると同時に、少女は意識を失った。
石化を始めた血液が、その動きを薬によって止められる。
流れは遅くなり、けれども、ゆっくりと確かに中心から浄化されていく赤い色]
ゆ、め?
[意識の中で、言葉を発した。
どこまでも続く草原は、女性の目と同じ色。その先に、集ういくつもの人影。
遠くても、わかった。それがみなだと。
風が運ぶのは、その温かさ]
みんなが、見えるの。
ノーラさんも、エーリッヒさんも、ブリジットさんも、ダーヴィッドさんも、ヘルムートさんも、イレーネさんや……アーベルさ――
[言葉は続かずに涙に消える。走って、たどり着く、その場所]