─灯台傍─
ありがとう、ヴァルター。
フォルカーちゃんも、待たせてごめんなさい。
─…フォルカーちゃん…大丈夫…?
[宿から荷物を持って、フォルカー達の待つ灯台傍まで戻る。
エルゼとゲルダにも、黙祷を捧げた後執事と、フォルカーに声をかけた。
結局彼女自身に手を下させてしまった、その負担は推し量ることすら憚られて。
彼女に何と声をかけても意味はないと知りつつも、それでも放ってはおけなくて。
そんな中、こちらにかけてくる姿と声。>>912
フォルカーに抱きついて泣く女性と、無事を喜ぶ男性の姿に、彼女の両親だとは解ったけれど。]
ちょっ、と。待って下さい、この子はフォルカーちゃんです。
エーファちゃんは、人狼に…
[そう、口を挟んだけれど何を言うのかと睨みつけられて聞き入れてもらえなかった。
エーファは祝福を受けているから、エーファにこんな思いはさせたくなかった、そう口々に言われれば知らず眉根がよった。]